【祇園祭】絨毯の謎
祇園祭の山鉾になぜ海外の絨毯が掛けられているのか、気になったことはありませんか?
今回は祇園祭の懸装品についてお話しします。
祇園祭は平安時代前期の869年、京の都をはじめ日本各地に疫病が流行した時、怨霊を鎮めるため神泉苑に当時の国の数と同じ66本の矛を立て、八坂神社の神輿を迎えて疫病退散を祈願したのが始まりとされています。
元は巨大な剣鉾を行列に担いで歩いたという祭礼も、時代によって変化し、室町時代には、経済力を蓄えた町衆が58基(一説では60基)もの山鉾を巡行させていました。
京都は江戸時代に3度の大火災に見舞われましたが、そのたびに山鉾はより立派に再建されました。
町衆はそれぞれの山鉾を飾り立て、豪華さを競い合い、なかでも懸装品には富と財力をかけて見栄えがするものを整えてきました。
国内外問わず貴重な品々が集められたため、山鉾は国際色豊かで華やかな姿となっているのです。
遥か遠い国で作られた織物は特に珍しく、多くの人を魅了したことでしょう。
今も人々の目を楽しませる懸装品の数々は重要文化財クラスの貴重なものばかりで、山鉾が町中を巡る姿はまさに「動く美術館」ですね。
祇園祭に行かれる際は、ぜひ、山鉾それぞれの装飾にも注目してみてください!